革修理｜長野県松本市の革修理なら革研究所 長野店

【Before写真】ご依頼のバッグ

こちらがご依頼のバッグ。松本市のお客様からのご依頼です。

ヌメ革のバッグですね。

お客様も気に入って長い間使われていたそうで、とっても味が出ておりました・・・！

一見、特に問題はないようにも見えますが、お悩みの箇所はこちら。

本体とバッグの被せ部分を留める金具の箇所です。

左右二箇所とも革の穴が広がって、スポスポと外れやすい状態となってしまっておりました ＞＜

ここは頻繁に開閉する箇所かと思いますので、長年の使用で革が伸びて広がってしまったようです。

バッグが不用意に開いてしまっては、支障がありますよね。。

ちなみにこちらの金具は『ギボシ』と呼ばれ、穴のあいた革を引っ掛けて保持するタイプのものです。

↑参考までに、手元にあった別のギボシの写真です。

カシメのように頭と足を革に挟んで打ち込むことで固定されます。

ホックとはまた違って、革の穴から覗くぷくっとした丸みがおしゃれな印象ですよね。個人的にも上品で好きな金具です♪

しかし、開閉と留まり具合の不安から、『このタイプ、苦手〜 ＞＜』　という方も一定数いる印象。

今回のご依頼品の革パーツ部分は本体から外せるタイプでしたので、同じ形のものを新しく作成することで改善を図ることになりました。

当店では補修や修繕だけでなく、パーツの新規作成も可能ですので、お気軽にご相談下さいね♪ 

革バッグ　ヌメ革パーツ新規作成　工程

では、施工に入っていきます。

 今回のおカバンは、風合いのあるヌメ革を使用したバッグ。

ヌメ革と言えば、使いこむほどに深みが増して、愛着も増していく革らしい革です。

新しく作成するパーツも、本体同様ヌメ革で作っていきたいと思います＾＾

まずは元々の型を再現するべく、型を写し、パーツを切り出していきます。

ギボシの通る穴の箇所ですが、穴が大きすぎてもすぐ抜けてしまいますし、小さすぎてもギボシの頭が入りません。

シンプルなようで、意外と繊細なんですね。

なお穴にギボシを通すときは、穴の下の切れ込みの長さもポイントとなります。

革が馴染んでくることも考慮しつつ、何度かはめて付け心地も確認しながら微調整させていただきました！

上の白いものが新規作成中のパーツです。

裏表接着して貼り合わせたら、パーツを染色をしていきます。

今回は風合いの増した状態のヌメ革バッグとの色合わせ。厚塗りにしてしまうと、そこだけ浮いた印象となってしまうので、慎重に染色していく必要があります。

今回は、初めに顔料を極めて薄くスプレーで吹いた後から染料を吹き、透明感を維持しながら濃さを調整する方法で染色していきました。

初めに薄く顔料を乗せることが色合わせの助けとなり、また染料を使うことでベタ塗り感をうまく避け、風合いのある仕上がりにすることができます。

コバの染色も完了したら、あとはぐるっとステッチを入れてあげて完成です！

左ふたつが新しく作成したパーツで、右二つが元々のパーツ。

色味もうまく合わせることができたかと思います＾＾